相続について【遺言書】
2026/10/05
こんにちは!
愛媛県松山市の税理士事務所、廣瀬和隆税理士事務所です。
朝夕の涼しさに秋の訪れを感じる季節になりました。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、相続を考えるうえでとても大切な「遺言書」についてです。
「遺言書って、お金持ちの人が作るものじゃないの?」
「うちは財産が少ないから必要ないでしょう」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、遺言書は財産の多い少ないにかかわらず、家族のために残す大切なメッセージの一つです。
遺言書とは?
遺言書とは、簡単にいうと、自分が亡くなった後の財産の分け方などについて、あらかじめ意思を残しておくための書面です。
たとえば、
「自宅は長男に引き継いでもらいたい」
「預貯金は妻の生活のために使ってほしい」
「お世話になった人にも財産を残したい」
など、自分の希望を一定の方式に従って残すことができます。
相続が発生した後、残された家族は「どう分ければいいのか」という問題に直面します。
そのときに、亡くなった方の意思が遺言書という形で残されていれば、相続手続きを進めるうえで大きな手掛かりになります。
遺言書がない場合はどうなる?
では、遺言書がなかった場合はどうなるのでしょうか。
遺言書がない場合でも、相続ができなくなるわけではありません。
相続人が集まり、財産をどのように分けるのかを話し合います。
これを「遺産分割協議」といいます。
相続人全員で話し合い、誰がどの財産を取得するのかを決めていきます。
たとえば、亡くなった方が自宅と預貯金を残していて、相続人が配偶者と子ども2人だったとします。
「自宅は配偶者が取得する」
「預貯金は子ども2人で分ける」
など、具体的な分け方を話し合うことになります。
しかし、ここで問題になることがあります。
家族全員の意見が、必ずしも一致するとは限らないということです。
「うちは仲がいいから大丈夫」が一番危ない?
相続についてお話しすると、
「うちは家族仲がいいから、揉めることはないですよ」
とおっしゃる方がいます。
もちろん、家族みんなで円満に話し合えることは、とても良いことです。
ただ、相続では、普段は仲の良い家族でも意見が食い違うことがあります。
特に問題になりやすいのが不動産です。
たとえば、実家を誰が引き継ぐのか。
「長男が住むのだから長男がもらえばいい」
「いや、兄弟で公平に分けたい」
「売却して現金で分けたほうがいい」
など、さまざまな考え方があります。
亡くなった方が元気なうちには話し合う機会がなかったことが、相続が始まってから初めて問題になることもあります。
だからこそ、元気なうちに自分の考えを整理しておくことが大切なのです。
遺言書があれば、すべて解決する?
では、「遺言書を作れば安心」と思われるかもしれません。
しかし、遺言書があればすべての問題が解決するわけではありません。
遺言書には法律上のルールがあり、内容や作成方法によっては、思ったような効力が認められない場合もあります。
また、一定の相続人には、法律上保障された一定割合の取り分である「遺留分」が認められています。
そのため、「この人には一切財産を渡したくない」など、家族関係に大きく影響する内容を考えている場合には、専門家に相談しながら準備することが大切です。
遺言書には種類があります
遺言書にはいくつかの種類があります。
一般的によく利用されるのが、
・自筆証書遺言
・公正証書遺言
です。
自筆証書遺言は、基本的に自分で作成する遺言書です。
一方、公正証書遺言は、公証人が関与して作成する遺言書です。
それぞれにメリット・デメリットがあります。
「どちらが自分に合っているのか」は、財産の内容や家族構成などによっても変わります。
大切なのは、ただ遺言書を作ることではなく、自分の希望がきちんと伝わり、相続手続きがスムーズに進むように準備することです。
まずは家族と話すことから
いきなり遺言書を作るのはハードルが高いという方もいらっしゃるでしょう。
そんな場合は、まず家族と話をすることから始めてみてください。
「もしものとき、自宅はどうしたい?」
「大切にしているものは誰に引き継いでもらいたい?」
「家族に伝えておきたいことはある?」
こうした話をしておくだけでも、家族にとって大きな意味があります。
相続は、財産だけの問題ではありません。
残された家族が困らないように、自分の意思を伝えておくこと。
それも相続準備の大切な一歩です。
将来のことを少しだけ話してみてはいかがでしょうか。
久田
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